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#62 トランス脂肪酸について

研究部Aチーム 山本 宰睦 | 更新日:2015.07.23

 「トランス脂肪酸」は、マーガリンやショートニングなどに使用されている一部の加工油脂や、これらを原料として製造される食品のほか、自然界において反芻動物(牛、羊、山羊など)の脂肪中に含まれる脂肪酸の一種です。
 トランス脂肪酸は長期間過剰に摂取すると、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させ、同時にHDLコレステロール(善玉コレステロール)を減少させることが指摘されており、その結果として、動脈硬化などによる心疾患のリスクが高まるといわれています。

 2015年6月16日、アメリカ食品医薬品局(FDA)はトランス脂肪酸の削減を目的として、トランス脂肪酸が多く含まれている「部分水素添加油脂」について、3年後(2018年)にGRAS(従来から使われており安全が確認されている物質)の対象から外し、食品に使用する場合は新たにFDAの承認が必要との発表を行いました。成人1人当たりのトランス脂肪酸摂取量を見ると、アメリカ人は5.8g/日(総エネルギー摂取量の2.6%)、日本人は0.7~1.4g/日(同:0.3~0.6%)であり、アメリカ人のトランス脂肪酸摂取量が日本人より多いことがわかります。WHO/FAO合同専門家会議の報告書では、トランス脂肪酸の摂取量は1日当たりの総エネルギー摂取量の1%未満とするように勧告されており、日本人の現状(総エネルギー摂取量の0.3~0.6%)はこの値を下回っていますが、アメリカ人の現状(同:2.6%)はこの値を上回っています。
 日本国内では、トランス脂肪酸を含む食品を大量に摂取しない限り、健康への影響は特に問題ないといわれております。
 しかしながら、トランス脂肪酸が健康に悪影響を及ぼす可能性は否定できませんので、弊社といたしましても製品中のトランス脂肪酸を低減させる取り組みを続けております。具体的にはトランス脂肪酸の発生源となる「部分水素添加油」の含有量が少ない油脂に置き換えることで、製品中のトランス脂肪酸含有量を低減させております。 マーガリンをはじめとする油脂製品は、食生活を豊かにする重要な食品です。脂質は体の構成要素として、エネルギー源として、更にビタミンA、D、Eといった脂溶性ビタミンの吸収に深く関与する重要な役割を果たしております。
 脂肪の多い食品の食べ過ぎなど偏った食生活を送っている場合はトランス脂肪酸の摂取量が多くなる可能性があります。弊社と致しましては政府の「食事バランスガイド」で示されているように穀類、肉類、海産物、野菜、果物、乳製品等の色々な食物をバランス良くとることが何よりも大切と考えております。

● 参照
内閣府食品安全委員会ホームページ
日本マーガリン工業会ホームページ
農林水産省ホームページ
消費者庁ホームページ