パブリシティ

チーズ・バター製品 輸出増

キャンディーチーズなど アジアなどで攻勢

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香港の「759阿信屋」では同社のキャンディーチーズなどが多く置かれている

 業務用マーガリン大手のマリンフードは付加価値の高いチーズやバターの輸出を拡大する。輸出用の主力品で一口大のキャンディーチーズに加え、燻製バターなど独自商品を増やす。コンテナ単位で出荷する大口出荷先も開拓する。乳製品の需要が急増するアジアなどへ月間8コンテナを出荷して、今期の海外売上高は前期に比べ4倍をめざす。
 りんごチップと泥炭で燻製にしたバター「ミルクを食べる乳酪 私の燻製バター」を新たに増やした。香港では発売後2ヵ月間で7千個を販売。月販を1万5千個に引き上げる。
 現地で輸入品を多く取り扱うスーパー「759阿信屋(おしんや)」提携しており、現在は21商品を約160店舗で販売する。商品の認知度がまだ低いため、店舗販促(POP)や試食販売で商品の特徴をアピールしていく。
 同商品はドバイのホテル内レストランで採用が決まるなどアジア以外でも反応がよく、他の地域での販売も検討する。
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 キャンディーチーズでは試食販売をしたり価格設定を見直したりして販売を増やす。海外での販売価格は日本の2~3倍だが、形状の珍しさが人気で子供を持つ親などにアピールする。2014年にはハラル認証を取得したチーズの生産も始めており、中東や東南アジアのイスラム圏での販売をめざす。
 現在はタイなどアジアを中心とする10ヵ国に出荷しており、新たな出荷先も開拓する。チルド品は輸出する企業が少なく他社商品との混載が難しいため、マリンフードは20フィートコンテナが埋まるようなまとまった数量を輸出している。昨年は1ヵ月あたりコンテナ2個分ほどを出荷した。ベトナムやフィリピンなどで出荷交渉をすすめる。
 新興国など海外の展示会では、日本製品への安心感もあって同社商品の注目度が高まっているという。北海道のブランド力を生かし、冷凍ホットケーキ「北海道ホットケーキ」なども需要が見込めるとみている。
 マリンフードは使い切りタイプの小型マーガリンで約7割の国内シェアを持つ。14年12月期の売上高は前年比約2割増の187億円だった。

「私の」シリーズ投入

家庭用強化 試食・キャンペーン展開

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 【関西】マリンフードの今期1~5月のマーガリン類売上高は、前年比5%増と堅調に推移している。バター不足の影響で、コンパウンドを含むポンドタイプが約8%の伸び、小型製品も約5%増と健闘している。
 業務用に強い同社が、家庭用の強化を目指し今春、「私の」シリーズを立ち上げた。「私の胡麻いっぱいスプレッド」「私のフレンチトースト」「私のフランス料理」「ミルクを食べる乳酪・私のホイップドバター」の合計4品を発売した。普及と認知向上を目指し、キャンペーンやイベントで紹介するほか、提案営業を推進。徐々に成果が現れている。引き続き積極的に試食や社内キャンペーン、多方面でのイベント参加、業態ごとの提案活動を継続していく。
 一方同社は12年から、キャンデーチーズ中心に海外販売に乗り出し、香港や台湾、マレーシア、タイなどへ拡大中だ。取組み強化を図るため今春、立ち上げたばかりの同シリーズの輸出もスタートさせた。わが国は乳製品先進国ではないが、独自商品開発力を生かしたオリジナリティーあふれる商品だけに、展示会で海外バイヤーやシェフ・料理長などの注目を浴び、引き合いが多数寄せられているという。
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世界が注目、独自技術の燻製したバター


 小型マーガリンや特徴のあるマーガリン関連商品などで定評のあるマリンフード(大阪府豊中市、吉村直樹社長)は4月、バターに燻製加工を施したユニークな新商品「ミルクを食べる乳酪 私の燻製バター」を発売した。
 同社は、2012年から海外の食品関連の展示会にも積極的に出展、グローバル市場の開拓に取り組んでいる。これまで海外では、1口サイズに分けて包装し、食べやすさを売り物にした「キャンディーチーズ」が主力商品であった。
 このほど、燻製バターを米サンフランシスコやアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ、インドのニューデリーで開催された食品展示会に出品したという。燻製されたバターは世界的にもあまり例がないと注目を集めた。通常のバターとは違う、燻製のスパイシーな香りが引き立っていると、各スーパーのバイヤーやレストランのシェフ、有名ホテルの料理長などから多数の引き合いがあった。
 燻製に使用するのは、りんごの木のチップとウイスキーの香り付けなどに用いられる泥炭(ピート)だ。通常の燻製方法ではなく、バターが溶けないよう温度を上げない特殊な燻製方法で、バターを燻製することに成功した。肉や魚料理にアクセントをつけるなど、アイデア次第で活躍の場が広がりそう。家庭で手軽に燻製風味を楽しむことができるシリーズ商品として、今後、宣伝販売活動などを強化していく考えだ。

味付きマーガリン・バター

家庭でも味わって

マリンフード新製品を投入

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 業務用マーガリン大手のマリンフード(大阪府豊中市、吉村直樹社長)は味付きのマーガリンやバターの家庭向け新シリーズを発売した。香りの強い原料を使う商品は大手企業が生産を敬遠しがちだが、料理に使うことができ、価格競争に陥りにくい商品を増やして収益力を高める。発売するのは「私の」シリーズ。完成後のマーガリンに固形物を混ぜ込む独自技術や、少量生産に対応した香りが混ざらない生産設備を生かしている。
 マーガリン風商品は4種を発売した。「私のフランス料理」=写真=はマーガリンにニンニクやアンチョビ、パセリを加えた。パンに塗って焼くほか、パスタなどにも使える。「私の胡麻(ごま)いっぱいスプレッド」はすりごま、いりごま、ごま油を混ぜた。いため物などに使える。店頭想定価格は税込み350円。
 「私の燻製(くんせい)バター」は、バターを溶かさず薫製にする技術を利用した。このほど長浜工場(滋賀県長浜市)に専用の生産設備を導入した。家庭用に加え、業務用の商品も販売する。
 マリンフードは使い切りタイプの小型マーガリンで国内7割程度のシェアを持つという。植物性油脂を使ったチーズ代替品なども手掛けており、2014年12月期の売上高は前期比2割増の187億円。

"第3のチーズ"戦略で躍進

有力企業 次の一手 新春トップインタビュー

吉村直樹

マリンフード株式会社
代表取締役
吉村 直樹社長

 マーケットへの迅速な対応に強みを見せるマリンフード。マーガリンとホットケーキ、チーズの3本柱で展開する中で、ポーションマーガリンやフレーバーマーガリン、チーズ原料高騰に対応し、植物油脂を原料としたチーズ代替「スティリーノ」など、新ジャンルの商品を次々誕生させるとともに、需要創造のための広報・宣伝、営業活動を通じて地道にマーケットを定着させてきた。うちホテルやレストランですっかり普及したポーションマーガリン・バターに関しては、市場の8割を占めるに至っている。最近では、乳製品の需要拡大が見込めるアジア諸国中心に海外戦略に乗り出した。吉村直樹社長に詳細を聞いた。
 ――スティリーノが好調と。
 吉村 原料価格が大幅高騰した07年に、商品化に成功した。それまでの市場にも同様の商品はあったが、原料価格が下がり始めるととたんに姿を消していった。そこで原料価格が前年の2.5倍まで高騰して、値上げにも限度がある。このままでは倒産に追い込まれると、開発に本腰を入れた。研究室のチーズチームを中心に2週間に1回ミーティングを重ね苦心の末、6ヵ月で完成した。
 ――一気に市場に受け入れられた。
 吉村 正直言って、当初は自信がなかったが、社内公募で良い名前を得たと思う。発売と同時に引き合いが多く寄せられた。価格面だけでなく、味や溶け具合などで一般的なシュレッドチーズと遜色なく、冷めても硬くならず、あっさりとした味わいで、チーズ嫌いにも受け入れられるなど、品質面でのメリットも大きかった。
 ――その後も売れ続ける。
 吉村 原料価格が再度下げに転じた際、このままで終わらせるのは惜しいと、業務用中心の販売から家庭用に切り替えた。コレステロール低減を切り口にして、200g入りの小袋を発売したところ、予想以上に売れ、業務用の減少分をカバーするに至った。特に流通のPBや留め型で商品化が進み、そうするうちに再度、原料価格が上昇に転じた。一昨年のことだ。
 ――今度は、想定通りの数字が付いてきた。
 吉村 ケース数単位で、14年12月期は前年比75.7%も拡大した。このけん引で、チーズ類全体では同17.3%増、総売上高でも同17.3%増と大幅に伸長した。
 ――戦略は。
 吉村 単なるチーズ代替ではなく、NC・PCに次ぐ"第3のチーズ"としてのブランド戦略に乗り出した。これは、夏の幹部合宿で出てきた言葉で、認知度向上とブランド化を目指して活動し、食品展示会出展や外食でのメニュー展開、メディア連動などで、相乗効果を狙っている。

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