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平成30年 蒼き狼~地果て海尽きるまで~

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- 平成30年 蒼き狼~地果て海尽きるまで~ -


飛天

「2018年の漢字 狼
 イヌ科イヌ属。日本語の語源は大神(おおかみ)。目は暗闇の中で光る。視界はほぼ360度。感情が豊かで仲間を大事にする。井上靖氏の小説『蒼き狼』はチンギス・ハーン伝説、元朝秘史の『上天より命ありて生まれたる蒼き狼ありき』に由来する。2016年の『日展』日本画最高賞は、森脇正人氏の3匹の狼『虚寂』が受賞。(とよなかチャンバー2018年1月号)」

拝啓
 もう37年も前に他界した父は、大学が中国文学卒業ということもあったのでしょう、生前、浄土真宗のルールにのっとって、自分の法名を自分で作った人でした。
(「工文院釈艸榮遊三居士」・・・意味は、工業と文学の二足の草鞋でやって来た。艸は俳句、俳画の雅号、榮は本名、遊三は小説のペンネーム)。
 6年前に他界した母の法名は、没半年前に、本人から依頼されて見よう見まねで私が作りました。
(「月祥院釈尼恵百大姉」・・・意味は、母は太陽に比して月の人でした。戸籍名・百合子、俗名・恵津子を年代によって使用していたので1字ずつ採用しました。)
 昨年末思い立ち、年齢も相応で、恥ずかしながら自分の法名も作ってみました。その一端に以前から気になっていた慧の文字を借用し、直慧と号しました。
 仏教の悟りを智慧と言うようですが、分別的な智に対し慧は無分別の領域を担当するそうです。空を飛ぶ彗星は一瞬の光る流星ですが、下辺に心がついて般若になるとのことです。
敬具
 (平成29年夏の「社長挨拶文」より)

「米国視察レポート
 一.プロローグ
 念願の東海岸への旅程でした。前回は25年前でしたから、ほぼ初体験です。隅々今年6月に西海岸を旅行していたので、東西の比較、違いも記憶に残りました。
 直前にラスベガスの銃乱射事件があり、一抹の危惧もありました。しかし実際は、参加者も現地の案内人もアメリカ人も、そのことに触れる者は一人もなく、トランプタワー足下の都市全体が、バブルかと見紛う活力・賑わいに溢れていました。
 二.ボストン
 歴史情緒に色どられた大学街です。30の大学が集まり、人口70万人で学生が20万人。 青春時代、ハーバード大学とかMITの名前を聞くだけで、自分には無縁なのに世界最高峰の頭脳集団としてワクワクと胸がときめいたものでした。
 一方で街中心部に高層ビルが建ち並び、昼間人口は120万人。年間1600万人の観光客が集まり、ニューヨークに次ぐ米国2位の金融センターで、都市総合力は世界21位、米国5位。 京都とは最も古い姉妹都市の関係を結んでいます。
 定番の観光ルートは、ボストン美術館、格調高い官庁街や要人が多く住むらしい高級住宅街、市中心部にあるゆったりとした都市公園、そして各大学構内と学生食堂での昼食。
 風格に満ちたこれらの公共設備は余程の予算の裏付けを必要とするはずですが、ガイドからは適切な回答を得ることは出来ませんでした。
 三.ニューヨーク
 ボストン~ニューヨーク間の交通は、観光客には列車が通り相場のようです。 距離にして345キロメートルで、時間は3時間半。こればかりは、何故新幹線にしないのか不明です。1時間45分で済むはずです。
 ニューヨーク・ペンシルベニア駅は、日本と比べると大ニューヨークとしては物足りないものでした。都市全体にも言えることですが、必ずも美しい街並と言えるものではありません。
 しかし、ブロードウェーのタイムズスクエアは夜10時で満員電車状態でした。周辺の劇場街の一つ、マジェスティック劇場での『オペラ座の怪人』はなんと29年間のロングランを継続中で、終幕には観客全員のスタンディングオベーションで、日本では考えられません。
 更に9.11テロで倒れたツインタワーの跡地には、すでに完成した『ワン・ワールドビル』の他、7つだか8つのビルが建設中でした。
 ぎゅう詰めのレストランでは、450gのポンドステーキが供され、株価は連日過去最高を更新していました。
 四.エピローグ
 帰国し、日本の街中を歩き、閑散としたレストランの数々を目にする時、一体この差は何に由来するのか、暫し考え込まずにはいられません。
 全体の所感ですが、改めて米国の途方もない大きさ、強さに触れた気がしました。満席、喧騒の渦のレストラン。家族連れ、カップル、友達同士、ビジネス。席が空くとすぐに次の客で埋まる。 静かな食事とは程遠い、健啖。
 我々も気を飲まれたように、その騒然とした雰囲気に同化し、アメリアの地ビール、西海岸のワイン、バーボンの空けたのでした。
 帰りの機中で観た映画は、今年のアカデミー作品賞を受賞した3人の黒人女性が主人公の『ドリーム』でした。
 帰国後すぐに衆議院選挙がありました。トランプ大統領が来ました。世界を見ると言うこと、触れると言うこと、違いを感じると言うこと。そして自分達の道への想いを新たにすると言うこと。多分、世界への旅は、終わりのない旅なのだと感じた次第です。
(平成29年全国マーガリン製造協同組合海外旅行レポート集より)」

「人間は誰でも本来、何事をも、自分が深く思い考えた通りに成すことが出来る。自分がもし出来ないと思えば何事も出来ないし、出来ると信念すれば、何事をもなすことが出来る。つまり、すべてが、自分が自分自身に課した信念のとおりになる。」
(中村天風「成功の実現」より)

「経営計画発表にあたって
昭和62年1月24日
 父が病没(昭和55年4月)し、社長を継いで今年の4月で7年になります。あっという間の7年でもあり、一つ一つの出来事を想い出すと気が遠くなる程の7年でもありました。
 会社も今年も3月で創立30周年を迎えます。この間、家庭用から業務用へ、マーガリンの他プロセスチーズ、シュレッドチーズ、ホットケーキなどの新商品の発売や新社屋の建設など、時代の移りかわりに前後しながら、先輩諸兄の努力によりマリンフードの今日が築きあげられて来ました。
 私が社長を継いだ時の正直な感想は『まずい事になった』といったようなことでした。仕事の経験も浅かったし、社長が何をすべきかについて何も知りませんでした。何より社長方針のもと全社を引っぱって行くバイタリティーが欠如していると自認していました。
 こんな社長に率いられた従業員は何と不幸なことでしょうか。『勇将のもとに弱卒なし』と言いますが、弱将のもとで会社はどんなことになるのでしょうか。
 この数年、売り上げの伸び悩み、新製品の開発不足、商品クレームの増加、利益のじり貧傾向、同業者間の熾烈な競争などに直面し、苦悩の時間を過ごすことが多くなりましたが、これと言った妙手を見つけることが出来ぬまま時間が過ぎ去っていました。
 昨年2月、一倉定先生という『社長学』の権威者の講演を聴く機会を得、『社長がやるべきこと』について徹底的に従来の考えを改めさせられました。まさに脳天をハンマーで叩き割られるという程のショックでありました。
 以後、私の中の興奮が静まるのを待ち、講演の内容を吟味しつつ全8回にわたるセミナーを受講し『社長がやるべきこと』の実像に近づく努力を試行してまいりました。
 それらをまとめると同時に、従来発表したりしなかったりの経営目標を、より一層明確にかつ具体的に姿勢を改め、そして全社の意思の統一をはかるために本経営計画書にして発表することにいたしました。(今後は毎年1月に発表し続けます。)
 人にはそれぞれの運命があり環境があります。しかし、どんな境遇にあろうと進歩、発展を望まない人はなく、進歩、発展は自分の手、我社の努力で掴む以外に道はありません。
 私は会社にいる人達が、将来への希望と、生活の安定を得、又会社周辺に居住する人達が我社に愛着をおぼえ、何よりもお客様が我社との取り引きを喜んでもらえるよう尽力することが、与えられた使命であると自覚し、正しい公平な心でリーダーシップを発揮し、会社経営を行って行きます。」(昭和62年度「第1回経営計画書」より)

 事業の繁栄発展の究極は、たった二つのコンセプトから成り立っている。
 一つは成長拡大させること。もう一つは安定させることである。この二つの哲理を同時に戦略課題とし、実行して、はじめて繁栄発展が起こる。二つのうち、どちらかの一つが欠けても事業の繁栄発展はあり得ない。


 私達の携っている食品ビジネスは、バブル経済はもとより、家電、電子業界や、情報、通信、自動車、アパレル、住宅産業と比べても、限りなく地道でローテク、保守的な産業です。おふくろの味つけを好む性向は、かつて食べたことのない食品の出現を阻み、ファッションや趣味に比べて、生涯最も変わることのない嗜好性だと言われている。しかしひとたびお客様に我社の商品を注文していただければ、それを縁に何回でも幾年も変わらぬお取引をして頂ける。
 更に、私は食品ほど可能性に溢れた仕事もまた、他に類を見ないと信じる者です。日本の食品の市場規模は80兆円です。自動車が10兆円。住宅産業で25兆円です。ダントツに食品業界の規模は大きいのです。世界に目を転じると、約1500兆円。これが2050年になると3000兆円になると推定されています。目の眩む規模です。我々全べてに無限の可能性が秘められています。

 私達は、宇宙の悠久の歴史の中で、運命の悪戯から、同時代に生まれ、マリンフードで働いています。
 しかし、状況は必ずしも楽天的ではありません。この環境の激変に耐え、激しい競争に生き残り、目標にチャレンジし、売上や利益が順調であり続ける事ほど企業やその社員にとって幸福なことはない。そんな会社を、未来につながるナイスカンパニー、エクセレントカンパニーを創り上げることが出来れば、その原動力となることが出来れば、偶然に入った会社、偶然に出会った運命の中で、一回きりの私達の人生が、どんなに輝いたものになるだろう。

 今日もHPにお客様からのメールが届きます。
「はじめてガーリックマーガリンを食べた時の衝撃はすごかったです!あまりの美味しさに今まで知らなかったことを恥じました。」
「朝礼のプレゼンテーションを見て感動しました。様々なサイトを見てきましたが社員の方がする内容をコンテンツとする手法は斬新だなと思いました。」
「アレルギーがあり食べるものに制限がある娘のためにヴィーガンシュレッドを購入いたしました。目をキラキラさせながら憧れの料理が食べられる!!と大喜び。」
「『ふれあいセールIN長浜』の動画素晴らしかったです。3回も4回も見せていただきました。研修会の模様、踊りや歌など、すべてに元気をいただき励まされます。」
「初詣という日本の伝統を世界に広められそうな壮大さと昔からの歴史、伝統が太鼓とドラムの和洋なリズムに乗りながら見られて映像と音楽のどちらも印象に残る内容でした。」

 今年で事業発展計画発表会は32回を数える。この間の成果は、まるで遅々とだらだら坂を登る歩みであった。そして今年、創業130年の節目に、我々は「蒼き狼~地果て海尽きるまで~」と言う新しい標語を押し立て、更には明年新元号の発足を期して第Ⅲ期新20年計画を作成して船出した。

 私は大いなる願望(マリンドリーム)達成に向い、ひたすら精進し、方向を決定し、理念を固め、誠意をもって、情熱あふれる経営を推進することを、天から課せられた使命だと考え、実行する。


  平成30年1月27日
取締役社長 吉村直樹