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社内報マリン

マリンフードでは年に3回社内報を発行しています。社内報の一部の記事をご紹介します。

創業120年を迎えて

取締役社長 吉村 直樹
大航海時代

創業者 吉村 又作

吉村 又作
 今年は祖父吉村又作が東京牛込で明治21年に石鹸製造を始めましてから120年目になります。
 又作は元来長崎の人で、吉村家は江戸幕府直轄地長崎の長州屋敷の留守番役御用達として代々一代士族の待遇を受けていました。又作から3代目先祖には、江戸時代の高名な漢詩人吉村迂斎がいます。
 又作は当主吉村年三郎の三男坊として1858年乳母日傘の出生も束の間、父年三郎が病死し、又蛤御門の変で長州討伐の命が下り、長州屋敷も召し上げになるなど随分辛酸をなめ、高島炭坑、三井炭坑などでも働き半死半生の地獄も見たようです。その後縁あって石鹸の知識に触れ、上海、大阪、足利、東京とその技術をみがきついに独立した訳です。そしていわゆるマルセル石鹸(絹練石鹸)の製造に心を砕き、各種博覧会や展覧会に出展すれば必ず受賞し、業界の先覚耆宿と目され、昭和14年80才で没するまで、倒れて止まずの信念で事業に没頭いたしました。この石鹸事業は今日大阪豊中の地で吉村油化学さんが連綿と事業継続されております。

昨年の業績とそれをめぐる環境

 さて、昨年の業績を簡単に振り返りますと、マーガリン事業は食用油の高騰の中、家庭用PB品が一昨年とは逆に不調で100.6%の微増に終わりました。今や売上げでマーガリンを大きく越えたチーズ事業は、金額で112.8%、物量で107.6%と好調でしたが、原料高騰で利益は惨憺たる状態です。ホットケーキは大手レストランチェーンのメニュー変更などが響き89.4%と大苦戦、その他はソース、ジャム、惣菜品等で105.9%と総計106.0%の91億円で着地いたしました。経常利益、純利益は一昨年過去最高を達成しましたが、昨年はそれぞれ84.9%、87.6%の減益となりました。

原料暴騰

 年明け早々世界的な株価の下落が世相を騒がせておりますが、我々を取り巻く原料価格の暴騰は過去に類を見ない非常事態で、食用油が150%以上、原料チーズが200%以上、小麦粉が140%以上の他、包材費、燃料費のコストアップなど、まさに会社は危急存亡の時にあります。価格の上位改定が出来なければ会社は危ういのではなく、会社の存続がない。売上90億円の会社で昨年から今年にかけての原料アップ分だけで30億円です。8割完了しても6億円が積み残しとなり、それは一昨年の経常利益が吹き飛ぶことを意味します。

大航海時代

吉村 直樹
 本年度は標語を「大航海時代」として皆様に案内申し上げました。16世紀のインド航路発見のガマ、アメリカ大陸発見のコロンブス、世界一周航海のマゼラン達がそうであったように、今新しい附加価値を発見する航海に出航しなければ、私達に明日はやって来ない。
 今年の売上目標は120億円を掲げております。昨年147の新アイテムを登録しましたが、本年は料理学校との提携で更に多くの新アイテム登録をめざし、創業120年記念のキャンペーンを4月~9月にかけて予定しています。新工場建設PJも発足します。150社のお客様を工場にお招きし、150社のお客様の元で研究員同行での商品説明会を実施します。教育体制の更なる充実をめざし、環境整備表彰制度も本格的にスタートし、現場技術のレベルアップを目的に工務大会も開催します。

飛 天

 線虫という1ミリにも満たない微小生物がいます。医学、生化学の実験に使われることが多い動物です。この線虫の寿命は20日程度ですが、この遺伝子にキズをつけると、中に寿命が2倍、3倍、6倍と伸びるものがある。人間の寿命の限界は120年と考えられていますが、6倍すると700年の鎌倉時代から生きていることになる。遺伝子へのキズとは、激烈なプレッシャーと言うことです。
 後年、我々はあの激烈な環境に遭遇し耐え抜いたからこそ更に長く生き延びることが出来た、と言う年にしましょう。
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