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パブリシティ

新聞 帝飲食料新聞 1998年8月20日(木)

現存商品の不満や不足を補う製品を開発

上半期は1桁上位の伸びを確保
 マリンフード(本社・大阪府豊中市/吉村直樹社長)は、マーガリン、チーズ、ホットケーキ、ピザ関連、調理品関連、そしてギフトの6つのセクションを擁し、各分野で家庭用・業務用製品を販売、年商60億円をあげている。最近は主力製品の原料である油脂、チーズなどのコストが上昇、厳しい環境にあるが、売り上げ面では今年上半期は1桁上位の伸びを見せ、チーズ関連は2桁伸長をマークした。 吉村社長に昨今の需要動向と今後の方針などを聞いた。
本業を磨きつつ家庭用も
・・・・・ 主力得意先である外食業界があまり良くないと聞くが。
吉村: 一概にいえないが本業にまじめに取り組み、常に磨きをかけているところは順調に伸びているのではないか。
・・・・・ しかし単価が下がったり、客数が減ったりしているようだが。
吉村: その通りだが、バブルの時はどんなものでもソコソコ客がついたが、今は円安でコストも上がっている。単価を上げ得ないで、コストが上がれば当然、品質にしわ寄せがくるわけで、そうした店には客がこなくなる。
・・・・・ こうした状況下で、貴社はどんな方針を取っていくのか。
吉村: 改めて聞かれると困るが、順調な時であろうが混迷状態であろうが、粛々と目の前の仕事をしていく、これに尽きるのではないだろうか。
・・・・・ 貴社の創業商品であり主力商品であるマーガリンについて。今、ガーリックマーガリンがヒットしているが。
吉村: 学校給食が年々減り続けており、それにつれて売上げも伸びていかない。しかし、置いてきぼりを食わないように努めている。常にヨソより早く、人に先んじて取り組むようにしているが、それでもやっと世間に遅れない程度。最近は社会のスピードが早すぎて、人より早い目に手掛けて、やっと普通という状況ではないか。ガーリックマーガリンもそういった考えで開発したもので、なんとか売れているが、次は何をするか、もう考えておかねばならない。
・・・・・ そういえば貴社の開発力は相当なもの、という評判だが。
吉村: 別に突拍子もないことをやっているわけではない。そんなに画期的な新製品が出るはずもないが、自分が買う立場に立って、いまある商品を見ると、必ずしも私たち生活者の欲求を満たしたものばかりではない。自動車にしても、いろんな新機軸のものが出回っているが、それでも何か不足、不満がある。それを満たすものを開発する、これが私の考え。
当社が扱っている商品についても、現在のままで良いという考えではいけないわけだ。
・・・・・ 開発は社長自らが。
吉村: いや、そんなことはない。もちろん、いろいろ食べ歩き、自分はこんなものが欲しい、あんな物があれば...と思うこともあるが、当社では早くからプロジェクトチームを作り、そこでいろんな開発をしてきた。しかし、何をやるにせよ、まず本業を磨くことに精を出している。
・・・・・ 今年上半期の売上げは。
吉村: トータルでは前年比1桁上位の伸びというところ。チーズは2桁増か。マーガリンは横ばい。ホットケーキも順調だが、これについては家庭用にもっと力を入れたい。ただ売上げはともかく、利益額は増えてはいるものの、率は下がっている。8月1日からマーガリンの価格を改定したが、これだけ原料が上がるとどうしようもない。
・・・・・ 家庭用の話が出たが現在のウエイトは。
吉村: まだ10%くらい。徐々に上げていきたいと思っているが、とにかく本業を大事にしながら、ゆっくり取りかかる方針だ。
・・・・・ 現在の扱い商品から見て、商品開発は今後とも洋風路線中心なのか。
吉村: 現在のわが国の食は和風、洋風、中華というように、もはや明確に区別できないと思う。焼き飯は中華風かそれとも和風なのか。カレー丼は焼き肉はどうかなど、境目のメニューが多くてハッキリ区別できない。どんな食でも受け入れる国だから、われわれも敢えてこだわることはないと思う。