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パブリシティ

雑誌 月刊「油脂」 2014年12月号

第3のチーズ「スティリーノ」が成長

キャラメル型マーガリンを拡充

 マリンフードの昨年12月期業績は、売上高が前年比106%で着地したが、利益面は減益だった。為替を含めた原材料等のコスト上昇に加えて、12年10月に竣工した長浜工場が稼働初年度ということもあって運営負担が大きかったことが背景にあった。今期の売上高はここまで前年比116%と増収で推移している。ただし、その要因は乳製品等の原材料が高騰する中で価格改定を進めたことによるもので、大幅なコスト上昇に対して値上げは追いついておらず、利益幅はさらに圧縮される厳しい状況にある。しかし、マーガリン、チーズ、ホットケーキなどを柱に独自性の高い製品を展開し、市場を切り拓く方向性に揺らぎはない。
 売上高構成比で6割を占めるようになったチーズ事業は、輸入チーズをはじめ原料コストが大幅に上昇しているが、フル稼働となっている泉大津工場に加えて長浜工場が稼働を始め、2013年2月にベビーチーズを発売、同6月にスライスチーズ自動充填ラインを導入、さらに9月に植物性チーズ「スティリーノ」からスライスタイプを発売するなど新規分野の開拓に力を入れている。
 中でも、乳脂肪を植物油脂に置き換え、良質な乳たん白を使用して乳化させた植物性チーズ「スティリーノ」は、チーズ価格の高騰を受けて代替需要が拡大するだけでなく、コレステロールが通常のチーズに比べて低いという健康特長への評価も高まっている。そこで同社は、ナチュラルチーズやプロセスチーズに続く第3のチーズとして「スティリーノ」の拡販に取り組んでいる。「とろ~りやわらかヘルシーシュレッド」など既存の「スティリーノ」は、ゴーダチーズに対してコレステロール80%カットされていることも特長のひとつだったが、技術向上により90%カット、さらに95%カットした商品を新たに発売している。
 「スティリーノ」は大手量販店で450g容量などの留め型商品等で採用されているが、ここにきて1kgなど大容量タイプもスポット販売で好調な実績を挙げている。それを契機に様々な容量で定番販売がさらに浸透する好循環が生まれている。「スティリーノ」の販売量は今年度も着実に拡大しており、年間では最終製品で優に3,000トンを超える勢いにある。販売量は毎月のように伸びており、期末だけで見れば前年同月比2.0倍に届きそうな見通しだ。
 また、台湾、香港やタイなどアジア地域を中心とした輸出も販売開発室国際課を設置して積極的に推進している。泉大津、長浜2工場合わせて年間2万トンのチーズ類生産能力を活かしていく。
 一方、マーガリン事業については、バター不足を背景にコンパウンド品が前年比約1.5倍に伸びている。しかし、乳製品価格の高騰により採算が厳しいことはチーズと同様で、同社はコンパウンドマーガリンについて年明け早々にも価格改定を実施する考えを示している。
 同社はマーガリン類でもホテルや外食向けのポーションタイプやキャラメル型のように特徴ある形状の商品に強みを持っている。今春、新商品としてキャラメル型の「レーズンバター風味」「ストロベリーバター風味」「オレンジピールバター風味」を発売した。2015年春に向けては、小型カップの新商品4~5品の上市を予定している。
 また、バターについては、乳業メーカー各社が出荷制限を行う中、ポンドタイプなどで引き合いが増えており、できる範囲の要望には応えているという。主力商品ではないこともあって、販売量は前年の1.5倍に伸びている。
 ホットケーキ類は前年比25%増と好調に推移している。パンケーキブームは都市部の外食ではすでに数年前から流行しているが、地方・全国へと波及し、伸びている段階にある。その中で、スーパーなどの小売商品の堅調で、同社ではこうした小売商品にホイップ済みクリームを添付するなど工夫した商品展開も図っている。