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パブリシティ

新聞 日刊ケイザイ 2014年12月1日(月)

全員参加型の経営推進

マーガリン、チーズ、ホットケーキで国内トップシェア

吉村直樹

マリンフード株式会社
代表取締役
吉村 直樹社長

吉村直樹(よしむら・なおき)の略歴
北海道大学理学部化学科中退。昭和52年5月入社。53年3月取締役管理部長、54年3月常務取締役を経、55年4月代表取締役社長に就任、現在に至る。昭和24年8月1日生まれ、65歳。
 豊中市に本社を置き、マーガリン、チーズ、ホットケーキなどを製造販売する。お客様第一主義でシェアを拡大し(平成25年12月期総売上高約160億円)、小型マーガリンで85%、シュレッドチーズやホットケーキの国内生産は1位とトップシェア製品は数多い。
 8月から、大手乳業メーカーがチーズ・バターを一斉値上げする中、価格変動を受けにくい植物油脂を主原料とした"第3のチーズ"が好調で、売上に大きく寄与している。
 豊中、泉大津、滋賀県長浜市に工場を持ち、特に平成24年に竣工した長浜工場は太陽光発電システムを導入、ISO9001を認証取得するなど、新しいチーズビジネスの基幹工場と位置づける。全員参加型の経営を推進し、事業計画発表会を30年近く毎年開催するなど目標達成に向けた取り組みが高く評価され、大阪府経営合理化協会の第7回「合理化の日」で、フジサンケイビジネスアイ賞を受賞。
 吉村社長は「極めてオーソドックスな商品を扱いながら、他とは違う異色の会社であり続けたい。八方美人を求めるのではなく、どんな小さなものでも日本一、日本唯一を多くつくり特徴ある会社に育てたい」と抱負を語る。

"合理化の日"でフジサンケイビジネスアイ賞受賞

目標達成に向けての取組み評価される


 ― 大阪府経営合理化協会が実施した第7回「合理化の日」で、フジサンケイビジネスアイ賞を受賞されましたが、ご感想をお聞かせ下さい。
 吉村 今回大阪府経営合理化協会主催の「合理化の日」で、フジサンケイビジネスアイ賞を受賞させて頂き、光栄に存じます。
 弊社が携わっております食品ビジネスは、家電、電子業界、通信、自動車、アパレル、住宅産業などと比較すると限りなく地道でローテク、言い換えれば保守的な産業だと言えます。
 おふくろの味付けを好む性向は、かつて食べたことのない食品の出現を阻み、ファッションや趣味に比べ、生涯最も変わることのない嗜好性だと言われています。
 しかし、一度お客様にわが社の商品をご注文頂ければ、それを縁に何回でも、幾年も変わらぬお取引をして頂ける可能性があり、そういう意味では実に恵まれた事業であると思っています。
 ただ、状況は必ずしも楽天的ではなく、弊社の商品の原料は輸入原料が大半を占めており、近年の円安や世界的なバターやチーズの原料高による影響は、経営基盤を揺るがす可能性があります。
 しかしこの環境の激変に耐え、激しい競争に生き残り、目標にチャレンジし、売上や利益が順調であり続けることほど会社や社員にとって幸福なことはないと確信しています。未来につながる"ナイスカンパニー"、"エクセレントカンパニー"を創り上げることが出来れば、偶然に入った会社、偶然に出会った運命の中で、一回きりの私たちの人生がどれほど輝いたものになるだろうと考えています。

第3のチーズ"スティリーノ"爆発的人気

消費者の健康志向が追い風


 ― 御社はマーガリンやチーズ、ホットケーキなどの数多くの商品で国内トップシェアを占め、攻めの経営を実践しています。
 吉村 増税前後の影響や乳製品の価格高騰の中、1~9月のチーズ類の累計売上は、前年比116.6%で、特に弊社のスティリーノ類(乳脂肪の替わりに植物油脂を主原料としたチーズ代替品)は、価格変動を受けにくい植物油脂を使用しているため、一般的なチーズより安価で(2~3割安い)、8月1日からの大手乳業メーカーのチーズ・バターの一斉値上げを受け、受注が大幅に増加しています。
 この"第3のチーズ"と称されるスティリーノはモンドセレクションを受賞し、そもそもチーズ代替品として長年研究を続け、2007年のチーズ原料価格の高騰がきっかけで開発を加速させ、その年の秋に発売にこぎつけました。
 昨今の健康ブームや特にメタボリックシンドロームが疑われる人々の急速な増加を受け、健康志向の強いユーザー層に支持されています。
 マーガリン・バター類の1~9月の累計売上は前年比111.9%で、マーガリンについてはほぼ前年並みで、一方バター類については根本的に品薄で価格も上昇しており、夏以降業務用コンパウンド商品(バターとマーガリンが混同されている商品)の伸び率が顕著で、この傾向は今後も続くものと思われます。
 また、ポーション(1回用)のソフトホイップバターやマーガリンは、国内で約8割のシェアを占めており、ホテルの朝食のバイキングなどでは軒並みに使用されていると自負しています。
 ホットケーキについては1~9月の累計売上は前年比126.6%で、街中のパンケーキブームにより、各方面からの商談が相次ぎ、現在も増産体制をとっています。
 ― 海外マーケット進出を見据えた、今後の事業展開についてお聞かせ下さい。
 吉村 国内では、先ほどの"第3のチーズ"スティリーノを広く市場に周知徹底するために、B to B(企業向け)については積極的に展示会に出展し、業界関係者にPRしていきたいと考えています。
 また、街中のカフェやレストラン、ホテル、居酒屋などで、ヘルシーメニューづくりの材料として、スティリーノの採用をお願いしています。
 B to C(一般消費者向け)については、全国8か所の主要都市でイベントを開催し、10~12月の3か月間で宣伝販売を全国で300回行い、チーズトーストで"第3のチーズ"を試食して頂きたいと思っています。
 弊社モニターでも高い評価を受けております。9月発売の新商品「コレステロール95%オフヘルシーシュレッド」も過去最高と言える引き合いがきております。
 海外市場についても現在積極的にアタックを続け、M&A(企業の買収・合併)にもチャレンジしていきたく考えています。
 今秋には、本社工場(豊中市)、泉大津工場、長浜工場の3工場で、FSSC22000を取得し、ハラル認証も取得が決定しました。
 昨年はベトナム、韓国、タイ、台湾、香港、シンガポールの展示会に出展し、今年はそれらの国を含め米国にも出店致しました。更に来年にはインド、中近東、ロシアにも計画があります。
 実際の販売先としては、韓国、台湾、タイ、シンガポールにキャンディーチーズやガーリックマーガリンなどを輸出しています。今後も海外への取組みに向け、商談を進んていく方針です。
― 現在社内に39のプロジェクトチームが活動し、事業発展計画発表会を開くなど、全員参加型の経営を推進しておられます。
 吉村 事業発展計画書を毎年作成し、今年で28年目になります。そして当社の未来像(ビジョン)を描き全社員と共有するため、事業発展計画発表会を開催しています。
 この事業発展計画書には毎年指針を掲げ、今年は「昴~わが胸は熱く夢を追い続けるなり~」という標語を押し立てて新たに船出をしました。
 私は大いなる願望(マリンドリーム)達成に向けて、ひたすら精進し、進むべき方向を決定し、理念を固め、誠意を持って、情熱あふれる経営を推進することを天から課せられた使命だと考え実行しております。

訪問活動、月間一人170件


 営業部員に対しては、ひたすらお客様訪問と販促ツールを駆使し、お客様を守り、お客様の数を増やすことを徹底して申し伝えております。
 訪問活動一人170件、お客様を弊社工場にお招きする工場見学会"ミニマリン会"を年150回、お客様の会社で弊社商品のプレゼンテーションを行う商品説明会を年120回実施しております。
 また、毎年事業発展計画発表会後に、全社員と関係業者の方々との新春パーティーも開催しています。
 さらに、地域社会と良好な関係を築き上げるという点において、本社のある豊中市教育委員会には、平成11年から15年間寄付活動を行い、その他豊中市内にある4ヵ所のスポーツ施設にマリンフードの名前を冠し、ネーミングパートナーとして協賛させていただいております。
 ― 最後に趣味・健康法・座右の銘などあればお聞かせ下さい。
 吉村 趣味は読書、映画鑑賞とテニス、囲碁です。好きな言葉は"都会の牛"。私自信、丑年で目まぐるしく変化する都会の中で、あせらずに、じっくりと地に足をつけて歩んでいきたく考えています。