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新聞 食品産業新聞 2019年12月2日(月)

第49回 食品産業技術功労賞

 マリンフードが昨春発売したストリングタイプの「クッキングモッツァレラ」。ヒット商品となり、発売から1年余りで、同社業務用チーズの主力商品に育った。
 最大の特徴であるチーズの伸びの良さから、とくに串カツや天ぷらのような揚げ物で、業務用の様々な業態で採用が広がっている。そのほか、焼き物、鍋の具材、サラダに生食でも楽しめ、汎用性が高い。
 従来、揚げ物で使われるチーズはプロセスチーズで伸びがなかった。クッキングモッツァレラは、モッツァレラの特徴から、揚げる(加熱する)と伸びが出る。このありそうでなかった特性が人気を呼んでいる。外食店で使いやすい10本入りというのも、好評のポイント。
 大手回転寿司で昨秋、天ぷらメニューとして期間限定発売され、写真映えすることからSNSで話題となり、人気に火が付いた。今年は春、秋に展開された。その他、串揚げ店や天ぷら店はもちろん、居酒屋、和食店、ベーカリー、サービスエリアなど様々な業態に広がっている。


『第49回 食品産業技術功労賞 各社の開発エピソード・苦労話』
〈商品・開発部門〉
「シュレッドとストリングのいいとこどり」
マリンフード研究部長 川村敏美氏

 アメリカにある世界一のモッツァレラチーズメーカーから輸入し、工場で充填・包装している。品質管理を含め、本国とキャッチボールを重ねた。
 市場に似たような商品はあるが、プロセスチーズである。当社はナチュラルチーズにこだわった。まず、風味がいい。繊維が残っているため、さける。モッツァレラの性質から、加熱すると物凄く伸びる。本国ではピザ耳に使われ、人気だ。
 当社もまず、ピザ耳用途を提案した。しかし、外食チェーンに「クッキングモッツァレラ」を提案すると、予想外の展開となり、天ぷら、フライがヒットした。おいしさに加えて、物凄く伸びることがインパクトとなった。日本では天ぷら、フライに使われるのかと米国のメーカーが一番驚いた。
 こだわったポイントは、さけるチーズとしてもおいしく、耐熱性があって形を残して伸びること。通常のさけるチーズは加熱すると固くなる。シュレッドチーズは加熱すると伸びるが、とろとろに溶ける。さけるチーズとして楽しめる上に、加熱するとチーズの形を残して伸びる。「クッキングモッツァレラ」は、ストリング、シュレッドのいいとこどりを実現した。
 秋冬は鍋用途を積極提案している。生食から加熱メニューまで汎用性があり、様々な業態に広めたい。