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新聞 日本経済新聞 2022年11月23日(水)

海外産チーズ、下期は2割高

植物由来の代替品開発加速

 チーズ製品の原料となる海外産チーズの輸入が細っている。天候不順などで海外産が過去最高水準に高騰し、国内の需要家が調達を控えた。ただ国内消費のうち8割強は海外産に依存しており、高値で調達した食品会社は製品の値上げを表明。消費者の低価格志向に応えられる植物由来のチーズ代替品の開発に取り組む動きも広がりだした。
 2021年度のチーズ消費量のうち、国産の割合は13.7%にとどまる。残りは輸入に頼る。輸入品の主力となるナチュラルチーズは、ニュージーランド(NZ)産とオーストラリア産の合計で4割超を占める。乳業会社がナチュラルチーズを原料に乳化剤などを混合しプロセスチーズに加工する。
 農林水産省の農林水産物輸出入情報によると、ナチュラルチーズの輸入量は1~9月で19万9435トンと前年同期比で3.4%減少した。輸入額は1215億円と同23.5%増えた。
 海外産チーズの価格高騰が影響した。海外産チーズの国内流通価格の指標となるオセアニア産の22年下期(7~12月)の価格は上期(1~6月)に比べ2割高い。4期連続の値上がりで、比較可能な08年以降で過去最高値を更新した。天候不順などでNZや豪州で生乳生産が減ったあおりを受けた。
 都内の専門商社では、4~9月の乳業会社や食品会社向け販売量が前年同期比6%減った。別の商社でも乳業会社向け販売量が1割強減った。家庭用向け乳製品の原料として使うチーズの販売が落ちているという。
 海外産チーズの高騰を踏まえ、雪印メグミルクや森永乳業などは今秋から家庭用チーズなどの値上げ、または内容量減による実質値上げを実施している。企業努力だけではコスト上昇分を吸収できないとしている。様々な食品が値上がりするなかで、消費者は商品の選別も強める。チーズの値上がりは需要の減退につながる可能性もある。
 急激な円安進行もあり、海外産チーズの輸入価格は23年以降も高い水準を保つ可能性がある。国内の食品会社では、植物性原料を多く使ったチーズ代替商品の開発に動き始めた。近年の消費者の健康志向で、大豆や菜種など植物由来の食品に注目が集まっていることも業界の機運を高めているもようだ。
 乳製品メーカーのマリンフード(大阪府豊中市)は07年から植物性原料を使ったチーズ代替品を販売している。22年10月発売の商品は輸入品のナチュラルチーズと植物油脂などを配合した。
 「Q・B・B」ブランドのチーズなどを手掛ける六甲バターも植物由来の材料を使ったチーズを開発中だ。すでに「QBB PLANT MADE」の商標登録の出願をした。同社は「植物性代替チーズという商品の選択肢を広げる。輸入チーズ高によるコストを抑えることにもつながる」という。