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パブリシティ

新聞 日本食糧新聞 2023年9月23日(土)

躍進するPBF先駆者

チーズ代替素材「スティリーノ」 高伸長、市場けん引

 国内プラントベースフード(PBF)市場でトップシェアを誇るマリンフード。独自開発したチーズ代替素材「スティリーノ」をはじめ、動物性原材料不使用の「植物バター」「ヴィーガンホットケーキ」など多彩な商品展開で業界をけん引する。近年は「スティリーノ」の需要が急拡大しており、同素材を使用した関連製品の1~7月の売上げは前年比73.7%増とめざましい伸びをみせる。同社の商品が支持されている理由を、新作の特徴や市場戦略から探った。 (岡田幸子)
マリンフードのヴィーガンシリーズ

マリンフードのヴィーガンシリーズ



オーツミルクを使ったとろける植物スライス
~植物性チーズ 新たな健康価格訴求~
 PBFは、原材料の違いによって香味を自在に変えることができる。特定の栄養成分を付与して健康価値を高めることも可能だ。マリンフードでは、「第三のミルク」として注目を集める「オーツミルクを使ったとろける植物スライス」を栄養強化型のPBF商品として提供する。植物性原材料のみを使用することで、プロセスチーズと比較してコレステロール95%以上カットを実現。食物繊維、カルシウム、ビタミンなどを豊富に含むオーツミルクを配合し機能性の強化を図る。ピザトースト、グラタン、ハンバーグなどに使用する〝いつものチーズ〞を同品に変えるだけで無理なく健康に配慮した食生活を実践できるため、「健康に気遣いつつ我慢せずにおいしく食事をしたい」とする消費者の人気を得ている。
 環境問題や動物福祉などの観点から「環境負荷が低いものが食べたい」「動物性食品は控えたい」という需要も近年強まっている。動物性原材料不使用の同品であれば、環境や社会に配慮した倫理的消費を行う消費者ニーズにも応じることができる。
「オーツミルクを使ったとろける植物スライス」

「オーツミルクを使ったとろける植物スライス」



植物バター
~プロ仕様、多様な用途に~
 「植物性食品だと思わなかった」という驚きは、PBFならではの体験価値になり得る。「バターを超えた濃厚さ」がコンセプトのマリンフードの「植物バター」 は、食に対する意外な驚きや新たな発見を喚起するにはうってつけだ。1948年から手掛けるマーガリン製造ノウハウを基に、ココナツペーストや発酵調味料を独自に配合して創り出したコク深く芳醇な味わいは、プロ仕様の食材として十分通用するクオリティーを持つ。
一般的なマーガリンは風味付けに粉乳、生クリーム、バターなどを配合するため完全な植物性ではないが、同品は動物性原材料を一切使用しないためビーガン食にも利用できる。さらにコレステロールも98%カットしている。  昨年4月に第1弾として販売したカップタイプの「植物バター160g」に続き、今年5月には個包装タイプ「芳醇植物バター400g(50個入)」「同64g(8個入)」、ポンドタイプ「同450g」を投入。「本物」を超えることを目指した挑戦的な試みは、「代替品」の枠に収まらない新たな食の価値を生み出し、料理人や菓子職人の創作意欲を刺激している。
 ①カッティングボードに「植物バター」をたっぷり塗って好みの具材をトッピングすれば、昨年米国で話題になった「バターボード」 も手軽に作れる。「植物バター」の味わいをシンプルに楽しめる上、アレンジ次第でさまざまなテーブルシーンを演出できる。
 ②植物性原材料100%の 「植物バター」であればビーガン向けの料理にも対応可能だ。加熱に弱いとされる植物性バターの欠点は独自の技術で解決する。高温でも風味を損なわず、バター特有の味わいを生かした菓子作りなどにも活用できる。
 ③豆乳のまろやかな風味と「植物バター」のコクを合わせれば、満足度の高い濃厚な植物性クリームソースになる。一般的なバターと比較してコレステロールを98%カットできるので、ヘルシーさを付加価値としたメニュー作りにも役立つ。
 ④「植物バター」自体にしっかりとした味わいがあるため、塩コショウなどシンプルな味つけで素材のうまみが十分に引き立つ。冷蔵してもバターのように硬くならないので、ほしい量を取り出してすぐに調理を始めることができる。
植物バターレシピ

植物バターを使用したレシピ例



私のヴィーガン植物シュレッド
~新素材で未来の食卓支える~
 マリンフードが独自開発した「スティリーノ」とは、チーズに含まれる乳脂肪を植物性油脂に置き換えたチーズ代替素材。ギリシャ語の〝ステノ(未来)〞と〝ティリ(チーズ)〞を合わせた造語で、「未来のチーズ」という意味が込められている。 輸入原料チーズ高騰による苦境を打破する一手として2007年に誕生し、「低コレステロール」「冷めても軟らかい」「リーズナブルな価格」などの付加価値で新市場を切り開いた。「スティリーノ」のさらなる可能性を追求し、16年には乳脂肪に加え、乳タンパクも不使用とする動物性原材料不使用の代替チーズを開発。昨年発売した最新版「私のヴィーガン植物シュレッド」はアレルギー特定原材料等28品目も不使用とし、食物アレルギーやビーガンへの対応も可能にした。同社のPBF市場でのゆるぎない地位は、こうした努力と挑戦の連続の上に成り立っている。
 「私のヴィーガン植物シュレ ッド」は、加熱すると通常のチーズと同じように溶け、香ばしさを引き立てる美しい焦げ色がつく。「冷めても軟らかい」という特性から、近年はSMの惣菜コーナーやベーカリーでの採用が増えている。コロナ禍で定着したテー クアウトやデリバリーなど、 調理から飲食まで時間を要するメニューにも役立てることができる。
植物シュレッド

「私のヴィーガン植物シュレッド」は乳脂肪と乳タンパクを植物性原材料に置き換えている


 優れた機能や品質を有する商品でも、消費者が許容できる価格でなければ実際の購入にはつながらない。販売価格の高さはPBF市場拡大を妨げる一つの要因ともなっているが、同社は植物油脂を利用してコストバランスを調整し、チーズより安価に提供する価格戦略を取り入れることで解消。乳製品の国際価格が高騰する現在も、競争優位性を発揮するための大きな強みとなっている。
SDGs

「スティリーノ」をはじめとするPBFの開発を通じマリンフードはSDGs(持続可能な開発目標)の達成にも寄与する


ヴィーガンホットケーキ
~アレルゲンフリー対応も~
 消費者庁の調べによると、国内の食物アレルギー疾患者数は増加傾向にある(令和3年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書)。有症率は乳児期が最も高く加齢とともに減少するが、成人発症の食物アレルギーなどもあるため「食べられないつらさ」「食べることへの不安」を抱えたまま年を重ねる人も少なからずいる。ホットケーキ製造で近くの歴史を持つマリンフードは、長年培った製造技術からアレルギー特定原材料等28品目すべて不使用とする 「ヴィーガンホットケーキ」を開発し、食に対する不自由さを和らげる一助として提案する。小麦粉は国産米粉に置き換え、牛乳や卵など動物性原材料も不使用とすることでビーガン需要にも応じる。
「細部まで素材にこだわりたい」との思いから、ベーキングパウダ ーはアルミニウム不使用のものを選び、付属のシロップにはカラメル色素ではなく三温糖の自然な色合いをそのまま活用する。 もっちりとした食感やコメ由来の自然な甘みなど「おいしいから採用した」 という喫茶店もある。冷凍で1年間保存できるため廃棄ロスになりにくく、レンジで温めるだけで提供できるので調理時間の短縮や調理スキルの均一化にもつながる。
 食事制限、思想信条、 健康志向、環境問題、 動物福祉など、多様な食の在り方を尊重し合い、一つのテーブルで食事をともにする時間ほど平和で尊いものはない。マリンフードが提供するPBF商品の数々は、そうしたウェルビーイングのある食卓の実現に大きく寄与している。
ヴィーガンホットケーキ

「ヴィーガンホットケーキ」は食に対する不自由さを和らげる一助にもなる