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社内報マリン

マリンフードでは年に3回社内報を発行しています。社内報の一部の記事をご紹介します。

「ビデオ感想文」(令和5年8月1日号)

カンブリア宮殿 「驚きのアイデアで業界を復活させる豆腐店の物語」
研究部Aチーム 竹内 健三郎
  "ウニのようなとうふ"から"マスカルポーネのようなとうふ"まで、豆腐から生まれた新商品「BEYOND TOFU」を大ヒットさせている群馬県の相模屋食料。その他にも麺もスープも豆乳で作った「TOFU NOODLE」に手軽に豆腐の鍋料理が楽しめる「ひとり鍋」シリーズなど、斬新な商品開発でヒットを連発しており、この春には"カルビのような油あげ"と銘打ち、代替肉業界に乗り込んだ。相模屋の年商は、この20年弱で約10倍の327億円へと駆け上がっており、目を見張るものがある。一見、先述したような変わり種の商品を次々と開発することで売り上げを伸ばしてきたように見えるが、この成長のきっかけはもっと単純なことであった。通常賞味期限は5日間と言われてきた豆腐だが、相模屋の商品は賞味期限を15日間、およそ3倍となっている。従来、手作業でしか実現しないと言われていた豆腐のパック詰めを独自の機械によって全自動化を図り、微生物リスクを極限まで下げることで賞味期限の延長が可能となったという。ただの賞味期限の延長に過ぎないと言われれば地味だが、この"地味な"変化が地域限定販売しかできなかった豆腐を全国拡販可能にまで押し上げ、売上の激増を引き起こした。このように、一見なんでもないような改良が状況を劇的に変化させることが食品には秘められているように思う。マーガリン・バター類でも賞味期限延長の効果は十分にあるのではないか。色物バター・マーガリン類の課題として汎用性の低さがあげられるだろう。使い方が限られる為、比較的長い6ヶ月という賞味期限でも使い切れないという意見を聞くことがある。ここでいう賞味期限の延長の狙いは単純な家庭用カップの保管期間を延ばすことではなく、原料売りを可能にする点にある。カップでは使い切れないという方は少量で複数種類を1パックにしたアソート品が好ましいだろうが、現状当社でアソート品の製造設備はない。原料売りであれば、他社に委託して作ることが可能になるかもしれない。また、副次的にクラッカー等の添付品コラボや惣菜、製パンへの提案が可能になるだろう。ただ、原料売りをするにはバターのように賞味期限を最低でも1年以上は担保しておく必要がある為、賞味期限の延長が必須である。言い方を変えれば、賞味期限を延長するだけでもこれだけの商品、提案の幅が広がるとも言える。"地味な"改良は商品の保管温度帯でも同じように思う。冷蔵がメインのマーガリン・バター類であるが、日本だけで3万社もあると言われる食品業界において、市場の冷蔵棚、特に乳製品エリアの競争は激化しており、他のエリアへの進出が必要とされている。相模屋とは異なるが、豆腐ですらも常温化している商品も出てきている位だ。常温対応に関しては現在OEM品にて取り組みを進めており、約2年弱の月日をかけて油脂の常温耐性、酸化防止、変色防止といった知見を積み上げ23年11月発売予定にまでこぎつけた。未だ突き詰めるべき課題は残っているが、常温市場で乗り出す足がかりは出来たと考えている。また、今後は常温だけではなく、冷凍業界にも進出すべきであろう。冷凍食品メーカーへの原料提案がメインになるだろうが、現在の冷凍業界の盛り上がりをみるかぎり必須であるように思う。これまで"地味な"改良と揶揄してきたが、実現するには技術的にかなりの基礎知見を積み上げる必要があり一筋縄ではいかないだろう。しかし、最近では組織学的な視点から乳化力向上を目指す検討を初めとして基礎研究への取り組みが再燃しており、Aチーム全体として基礎知見の積み上げに対する意識、環境は向上しているように感じる。そして、何より自身の教養は確実に深まっていると感じているため、先述のような"地味"だけど画期的な改良を行うことになれば積極的に参加していきたいと思う。