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社内報まりん

マリンフードでは年に3回社内報を発行しています。社内報の一部の記事をご紹介します。

ベンチャー経営者賞 上場後も筆頭株主として経営に関与する異色のファンド(令和8年4月1日号)

マリンフード㈱非常勤取締役 吉村英毅


 ミダスキャピタル共同パートナーの吉村英毅氏の起業家としての原点は、中学時代に抱いた「社会を良くする事業を自ら創る」という強い思いにある。東大在学中の20歳で共同創業したエアトリは、航空券販売で急成長し上場した。
 だが経営の最前線に立つ中で、「一社の成功だけでは、世界の中心で戦う規模には到達できない」という限界を痛感したという。そこで一社ではなく「企業群」として世界を目指す構想から、2017年、ミダスキャピタルが誕生した。
 ミダスの最大の特徴は、一般的なPEファンドと異なり、外部から資金を募らず自己資本だけを運用する点にある。ファンドの期限がないため、短期での転売を前提とせず、対象企業の経営に長期視点で関与できる。実際、これまでにGENDA、BuySell Technologies、AViCの3社を上場させたが、上場後も筆頭株主を維持。成長を共創し続ける姿勢を貫いている。
 投資判断の軸も独自だ。「この会社を自分たちが全力で経営支援したとき、時価総額1千億円に到達できるかどうか」。業種やトレンドには一切とらわれない。ミダス企業群全体の時価総額は現在約5千億円。これを27年に1兆円、35年に10兆円、50年に100兆円へと導くという壮大なビジョンを掲げる。
 創業8年で自己資本は30億円から約2千億円へと急増した。上場企業3社のほか、ゼロから立ち上げた企業も多数。しかも大きな失敗は一度もないという。買収される側にとっても「転売されない安心感」がある。
 吉村氏は自らを「投資家ではなく事業家」と語る。ミダスキャピタルは上場せず、グループ各社を上場させていく。ビジョンに共感する仲間が結集し、強みを持ち寄って巨大な企業群を築く、新しい形の企業体だ。
 企業価値の追求と同時に、社会への還元を目的に公益財団法人「ミダス財団」を設立、「世界中の人々が人生の選択を自ら決定できる社会へ」の実現を目指している。
 「世界に冠たる企業群をつくり、日本を再び蘇らせたい」。その挑戦は、日本の未来を描く壮大なプロジェクトとして進化し続けている。

経済界 2026年2月号より