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飛天

平成16年 「世界に一つだけの花(Be Only One)」

- 飛  天 -
(平成16年度事業発展計画書より)

「小学生の数730万人。そのなかでにわかに注目されている子供たちがいる。総勢147名。広島県尾道市立土堂小学校だ。小さなこの公立学校に人々の視線が集まっているのは、そこで一つの過激な『実験』が行なわれているからだ。教育関係者のなかには、土堂の実験こそが一縷の望みだという者さえいる。
 ......蔭山英男(45歳)がこの学校に校長として赴任したのは平成15年度からだ。全国公募による採用だった。彼が『合格』した理由はその実績からだった。それまで蔭山は山間にある小さな学校の教師にすぎなかった。けれど彼の名は教育界のみならず、一般にも知れわたっていた。『進学塾もないやまあいの小学校、10年の実践から難関大学合格者が続出しました』。世にある『蔭山本』の完売部数は全部で300万部にも達する。土堂小学校は同時に文部科学省の『実践研究校』に指定される。『学校の裁量権の拡大』をうたった全国に七つしかない小学校の一つになり、学区も拡大された。......担任のヨーイ、ハジメの合図とともに、プリントがいっせいに表にかえされ、子供たちは何かにとりつかれたように、鉛筆を走らせる。タテとヨコにそれぞれ10個ずつならんだ1桁の数字を次々に足してマスを埋めていく。百題の簡単な足し算だ。 1分を少しこえた時、最初の子が手をあげた。すべての児童が2分台で終了した。いまや有名になった百ます計算である。『つぎは暗唱の授業を見せてあげてください』。その言葉で子供たちが起立した。それからいっせいに暗唱がはしまった。―――ニホンコクミンハ、セイトウニセンキョサレタ......日本国憲法の前文だ。暗唱用のテキストとしてほかにも『枕草子』『学問のすすめ』『徒然草』『奥の細道』『草枕』などがある。......1年生では国語辞書を引くトレーニングが行なわれていた。......ばくは蔭山メソッドで学んだ卒業生に会っている。名古屋大学医学部に学ぶ荒川雅子だ。『憲法前文や古典を暗唱させられました。つらくはなかったです。全国でもこんな難しいことを暗唱しているのは自分たちだけだと思うといい気分で、それだけで頭がよくなった気がしました。......朝、始業時間にはまだ1時間以上もあるのに、低学年の子が階段をゆっくりと登ってくる。ぼくになんのためらいもなく『おはようございます』と挨拶した。子供たちが増えるに従って校内が騒がしくなっていった。気がつくと運動場には大勢の子供たちの姿があった。体育館のほうから和太鼓の音がきこえてきた。町の祭りに参加するための練習だという。みんな小さな肉体からエネルギーを発散させている。(プレジデント平成15年11月17日号)『蔭山メソッドと辞書を引く1年生』」

 事業の繁栄発展の究極は、たった二つのコンセプトから成り立っている。
 一つは成長拡大させること。もう一つは、安定させることである。この二つの哲理を同時に戦略課題とし、実行して、はじめて繁栄発展が起こる。二つのうち、どちらかの一つが欠けても事業の繁栄発展はあり得ない。

 事業の『成長拡大』とは、どんなに経済環境が悪化していても、前年よりもお客様の数を増やすことだ。前年よりも売価の高いもの、粗利益の高い新製品を開発し、お客様に新鮮な驚きを与え、数多く買って頂くことである。これ以外の成長拡大はあり得ない。
 私達はお客様を増やすために、新規訪問をくり返し、商品説明会を行い、ミニマリン会で来社願い、同業他社の製品を、サービスを調べ、我社の製品のサービス向上に努め、お客様が感動する新製品を開発し、改善をくり返して生産効率を上げ、他社と全ゆる方向で優位の差別化を目指さなければ拡大できない。
 事業の『安定』とは、自分の会社で売っているものが、商品であっても、サービスであっても、形があっても無くても、その売りものを、同じお客様が、くり返し、くり返し、くり返し買っていただくことである。これ以外の安定はない。 
 だからこそ、私達は徹底的にお客様第一主義を貫き、定期訪問を欠かさず、人間性を可愛がって頂き、品質を高め、正確な納品に努め、同じお客様が、くり返し、くり返し、くり返し発注される要素を、他社よりはるかに秀でたものにすることこそが、私達に課せられた安定の大テーマである。

 今や世界最強の半導体、家電メーカーと呼ばれる韓国のサムスン・グループの総師季健煕(イゴンヒ)会長が1993年、米国出張中にホテルで旅装を解いた後、どこかに消えてしまった。季健煕会長は近くの百貨店で日本のビデオデッキを買ってきて分解を始めたのだった。ともに出張していた電機企画チーム長に、こう指摘したという。「日本製品の部品数の方がサムスンより20%ほど少ない。それでも高く売れている点を念頭に置いて、部品数を減らす努力をすべきだ」。
 日産自動車のカルロス・ゴーン社長が言う。「私にとってビジョンとは、長期間にあるべき姿を描写したものだ。 15年先、20年先の展望だ。エジプトのピラミッドは王が死んだ後も子孫が引きついで建設した。......こんな例がある。 2人の職人が石を彫っている。何をしているのか尋ねたところ、一人は『石を彫っている』と答え、もうー人は『寺を造ろうとしている』と答えた。同じことをしているにもかかわらずだ。もちろん、ビジョンがあるのは後者だ」。
 英国スタンフォードジャー州近郊にあるドペゲート刑務所。朝方の濃い霧が晴れ、そろって房外活動に向かう。「調子はどうかな。困ったことはあるかい」所長のケビン・ロジャースが話しかけると、厚手のジャンパーを着た囚人が「いつでも相談に乗ってくれるのか」と問い返した。「もちろん、君たちは家族のようなものだから」。ロジャースの雇い主は政府ではない。英国最大級のサービス受託会社サーコだ。売上高2600億円のサーコ会長のケビン・ビーストン(41)が言う。「足りない刑務所は我々がつくる。出番はまだまだ増える」。 16年連続で2ケタ増収増益を続けた自信がさらなる成長を確信させる。......サーコは一昨年、高知県で病院業務の入札に参加したが商習慣の違いに敗退した。しかし、実は今も年数回、経営幹部を日本へ派遣し、政府幹部などと懇談を繰り返している。
 
 昨年1月にマリンフードが制作した「会社案内ビデオ」が、毎日新聞主催の第41回日本産業映画・ビデオコンクールで奨励賞を受賞した。他の受賞作品に会社案内ビデオは一本もない。大賞は「未知への航海・すばる望遠鏡建設の記録」だし、奨励賞には「2003ダカールラリー三菱パジェロ3年連続総合優勝」や「2002FIFAワールドカップ札幌開催報告ビデオ」などが受賞している。6月には、ベルギーの世界食品コンクール「モンドセレクション」で、ブールコンポーゼ・ド・パリとはちみつシュガー・バターブレンドがグランドゴールドメダル、チーズフォンデュと胡麻いっぱいバターブレンドがゴールドメダルを獲得した。8月~11月にかけて「旬の彩りマーガリンキャンペーン」を展開し、量販店の店頭で延べ1237回の宣伝販売を実施し、2万作の応募を頂戴し対象商品は前年比136.5%の売上げ増で、ガルワールでは1日268個の売上げ記録を作った。 9月末には六本木ヒルズで有力特約店のグランドマリン会を開催した。 16の円卓テーブルに北は北海道から南は沖縄までの有力業務用問屋のほとんどの社長径が出席され、皆様が驚かれ、感銘され、充実した内容にお褒めの言葉を頂いた。そして12月には、食品産業社から当社の色物マーガリン群に対して、「第33回食品産業技術功労賞・技術アイデア部門」を頂戴した。「"色物"マーガリンのパイオニア的存在。......それぞれの個性を発揮しながらニッチ市場で確かな存在感を見せている」。年末も押し詰まった頃、古くからおつきあいのある、或る大手コーヒーロースターの会長から素敵なお手紙を頂戴し激励していただいた。「貴社のご充実は目を見張るものがあり、貴兄のご手腕には心より敬意を表します」。
 
 今日もホームページのプレゼント応募者からコメントが寄せられる。
 「マリンフードのマーガリンがとっても美味しいと友達のHPで話題になってました」「懸賞サイトに御社の製品の隠れファンという方が書き込みしていたら、私も私もととても反応がよくて、とても興味を持ったので覗きにきました」「キャンペーンの応募状況や社員食堂で抽選会されてるなんてとても家庭的な感じで親しみを持ちます」「家族で見ていてとてもうれしくなりました。いろいろと食べてみたいものや、料理して楽しんでみたいものばかりでわくわくしています」。

「人間は誰でも、本来、何事をも、自分が深く思い、考えた通りに成すことが出来る。自分がもし出来ないと思えば何事も出来ないし、出来ると信念すれば、何事もなすことが出来る。つまり、すべてが、自分が自分自身に課した信念のとおりになる」(中村天風「成功の実現」)

 今年で事業発展計画発表会は18回を数える。この間の成果は、まるで遅々とだらだら坂を登る歩みであった。しかし本田宗一郎氏は言っている。「俺はこれまで一回も失敗を経験したことがない。成功するまであきらめずに続けたからだ」
 この事業発展計画書は、私か精魂こめて書きあげた、お客様に対する考え方、あらゆるサービスの姿勢、心、信念する経営思想をまとめたものである。
 私は、この必達の売上、利益確保のために、お客様第一主義を採り、競争力を強化し、新しい市場開拓を行い、情熱あふれる経営を推進することを、天から課せられた使命だと考え、実行する。


平成16年1月31日
取締役社長 吉村直樹