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飛天

平成28年 私の新宝島~秘宝に挑む~


飛天

 宇宙飛行士の毛利衛さんは、北海道大学理学部化学科の1年先輩ですが、大学キャンパスや、たった40人しかいない学科、実験室で会ったことがありません。それはともかく、少し宇宙の話を......。
 2014年12月3日に宇宙航空研究開発機構「JAXA(ジャクサ)」が種子島から打ち上げた宇宙探査機「はやぶさ2」は、地球スイングバイを成功し、地球から約15,000万キロメートル離れた小惑星「リュウグウ」に向かって無事飛行を続けています。宇宙的には遠くない距離ですが、何しろ月までが38万キロメートル、火星までが6,000万キロメートルあります。
 「リュウグウ」は一般公募で付けられたネーミングですが、何ともお洒落な名前です。竜宮城から玉手箱を持ち帰る説話に拠っています。「リュウグウ」への着陸は2018年夏頃で、1年半ほど滞在し、帰還は2020年の東京オリンピックが閉会したあとの12月だそうです。これまた粋な話ですが、リュウグウで1年半も何してるんだろう。
 玉手箱の中には、老化の煙ではなく、太陽系の起源・進化・生命の誕生の秘密が詰まっているとの話です。なんとも壮大で、遊び心も豊かなミッションです。

拝啓
 東京六本木の古い寄り合いビルの六階に『北回帰線』と言うお洒落な名のバーがあります。白髪の女店主は、アメリカの小説家、故ヘンリー・ミラーの8人目の夫人として一世を風靡した、ホセ徳田さんです。3才から修行を積まれたピアノ演奏と歌、語りは、私より一回り上の年齢を感じさせない、愛らしさに満ち溢れています。自伝的エッセイ本を頂き、通読させてもらいましたが、鮮やかな人生です。
 近くに、世界でも有数のニューハーフショーパブ『金魚』があります。オーナー兼演出家の谷本捷三氏が亡くなってから3年が経ちますが、最近の来日海外客激増に比例して、連日満員の活況を呈しています。かつて客席の片隅で目を細めて舞台を見つめていた氏の姿が、脳裏に焼き付いています。
 南青山にはレストラン世界ランキング(ロンドン)8位(2015年)、国内1位、サスティナブル(持続可能)世界1位(2013年)の『ナリサワ』があります。『世界初の"土のスープ"、"水のサラダ"、"蘚のバター"』。成澤由浩の目眩く食のワールドが毎昼夜展開しています。
 銀座には約500件の大小様々な画廊が犇めきあっています。一日歩き回っても30廊を覗き見するのが関の山ですが、運が良ければ、小規模のオークション会場に潜入し、5~10万円の小品を入手する場面があるかもしれません。ニューヨークとパリの代理人による、現代ポップアートの旗手、村上隆の小振りの作品の電話競りを目の当たりにしたのは、10年も前の話です。
 この歳になっても、東京に出掛けますと、全てが物珍らしく、彩り豊かで、いつも田舎から出て来たお上りさん状態です。地震のリスクにうち震えながらも、今年は住み良い都市ランキング世界一(2015年)に選ばれましたね。
敬具
 (平成27年夏の「社長挨拶文」より)


拝啓
 今から大方45年前の話です。12月から4月までの5ヶ月欧州を放浪しました。2月に札幌で冬季オリンピックをやった年です。
 その間で、スペインからジブラルタル海峡を越え、モロッコのラバト、カサブランカ、アルジェリアのアルジェ、コンスタンチーヌ、チュニジアのチュニスと2週間北アフリカを列車、バス、ヒッチハイクを駆使して、この間食事は手づかみでしたが、確かに未知の世界を堪能しました。
 チュニスからシシリー島に渡る船中で、水道を捻ると水が出ることに、『ああ文明国に帰って来た』と感動した記憶が今でも鮮明に残っています。
 今なら、テロの脅威でとても考えにくいルートでしょうが、人類の進歩と言う楽観的な信奉が揺らぎます。米ソ冷戦の真っ只中でしたが、45年前のほうが安全でした。
 カサブランカの白い家並みも、アルジェの地中海沿いの並木道も、そこで出会った日本の商社マンに昼食を奢ってもらったことも、コンスタンチーヌの深夜の酒場で、当地の大学の医学部の学生達と朝まで語り合った時間も、朝5時に近くのバス停まで全員が見送りに来てくれた気の良い奴らも、チュニスの安宿のツインルームの一方のベッドで、抱き合って寝ている若いカップルも、それを無視して2日間ひたすら眠り続けたアフリカの疲労も、今では遠い微かな懐かしい思い出です。
 年の瀬、はて今年はどんな年だったのか。たった一年の歴史が、一陣の風が通り過ぎ、遥か彼方へ去ってしまったように、朧げで頼りないことに胸打たれます。
敬具
 (平成27年々末の「社長挨拶文」より)

「人間は誰でも本来、何事をも、自分が深く思い考えた通りに成すことが出来る。自分がもし出来ないと思えば何事も出来ないし、出来ると信念すれば、何事もなすことが出来る。つまり、すべてが、自分が自分自身に課した信念のとおりになる。」
(中村天風「成功の実現」)

「歴史上初めてと言ってもいいかも知れません。世界で貧困に苦しむ人々の数が減少しています。過去10年間、1日1ドル未満で暮らす貧困層の数が減少しています。......バングラディッシュもそんな国の一つです。毎年総人口の2%に当たる人が貧困から抜け出しています。......経済成長が一番の理由です。GDP成長率が、人口増加率を上回っている。......私たちは農村におけるリーダー育成、小学校がない地域での教育の提供、農業技術による生産性の向上、安価な医療サービス、法的な支援、マイクロファイナンスも手がけています。
 企業とNGOは対立するイメージがあるかもしれませんが、それは違います。我々は、地域の中小企業や起業家を、教育、技術、金融など様々な面で支援しています。......貧困問題に関して、企業と現地に根ざしたNGOが協力できる分野はたくさんあります。貧困層が豊かになれば、企業にとって大きな商機が生まれることは言うまでもありません。」(世界最大のNGO会長ファズレ・ハサン・アベッド)

「ABCマートの幸野隆文さんは新宿本店の店長だが、日本で一番靴を売っているのかも知れない。年間2万足、単純計算で1時間当たり8~10足。原点は倉庫係の仕事。来る日も来る日も在庫整理に追われた。靴は種類によってサイズや色のバリエーションが異なる。メーカーやブランドごとに細かく分かれた在庫の場所も頭にたたき込んだ。その上で商品知識に磨きをかける。『詳しい店員から商品を薦められれば好印象につながる。誰だって一番詳しい人から買いたい。』
 例えばランニングシューズを求めている客。『ジムで使うのか、外で使うのか』『初心者か、ベテランか』『1日何キロ走るのか』といった詳細を会話で引き出し、欲しい靴のイメージを明確にしていく。持てる知識を総動員し、可能な限り絞り込んだ選択肢を示す。
 客の気分を害さぬよう、むやみやたらに声かけはしない。靴に触れる瞬間を待つ。『興味のないものを手に取ることはない』からだ。普段からファッション誌に目を通し、服の流行を覚える努力も欠かさない。
 突然雨が降り始めたさなかに来店したビジネスマンで、足元の革靴も汚れているようなら緊急度も高い。急きょ出張が決まったのかもしれない。時には探偵のような推理力を働かせる。」

マリンフードに「4つの大方針」がある。

 Ⅰ
コア・コンピタンス(核の力)
重点主義、集中、差別化を標榜し、ナンバーワン、オンリーワンをたくさん作り磨きあげる。そして存在意義を明確に持つ。

 Ⅱ
カスタマー・フォーカス(お客様第一主義)
会社の真の支配者はお客様である。我社の存亡はお客様の手に委ねられている。社内の体制が全べてお客様に向って開かれていなければならない。

 Ⅲ
スピード(速さ)
IT化とは革新的なスピード化ということだ。スピード化とは心と頭の中で決まる。優先順位の決定とスケジューリング(計画表の作成)と今すぐ立ち上がる行動力だ。今日出来ることは明日に延ばすな。たった今始めよ。

 Ⅳ
マネジメント・バイ・ワンダリング・アラウンド(経営は歩き回りながら)
得意先を、市場を、工場を、他工場を歩き廻る。自分の目で見、耳で聞き、肌で感じ、思考しながら歩き廻れ。現場は宝の山だ。金鉱を掘り当てよ。開拓者精神で未知と遭遇せよ。

 事業の繁栄発展の究極は、たった二つのコンセプトから成り立っている。
 一つは成長拡大させること。もう一つは安定させることである。この二つの哲理を同時に戦略課題とし、実行して、はじめて繁栄発展が起こる。二つのうち、どちらかの一つが欠けても事業の繁栄発展はあり得ない。

 今日もお客様からのメッセージが届きます。
「『私のお気に入り』のムービーを拝見して、涙がこみあげてきました。娘は就活を始めました。こんなに弾けるような笑顔を見せてくださった動画の中の皆様も、見えないところでご苦労なさり、尽力されているのかと思うだけで、感動して胸がいっぱいになりました。見やすく、親しみやすく、一生懸命さが伝わって来る素晴らしい動画です。」

「動画の『クリーニング』を拝見させていただきました。社内研修で換気扇やクーリングタワーの掃除をしたり、巡回チェックで工場内の環境を清潔に保っている様子を見ると、貴社の商品に対する信頼性がますます高まりました。」

「マリンフード様のホームページを初めて拝見しましたが、あまりのレシピの多さに驚きました。私は料理教室に通っており、趣味でツイッタ―に作った物を載せたり、色々なレシピを知っているつもりでしたが、載せているレシピは衝撃的な物が多くて、是非今後の参考にさせていただきたいと思います。」

「何年間もガーリックマーガリンを愛用しています。塗るだけでなく料理にもよく使っています。燻製バターとても気になります。スーパーでまだ見たことないので一度食べてみたいです。よろしくおねがいします。」

 今年で事業発展計画発表会は30回を数える。この間の成果は、まるで遅々とだらだら坂を登る歩みであった。そして今年、我々は「私の新宝島~秘宝に挑む~」と言う新しい標語を押し立てて船出した。

 私は大いなる願望(マリンドリーム)達成に向い、ひたすら精進し、方向を決定し、理念を固め、誠意をもって、情熱あふれる経営を推進することを、天から課せられた使命だと考え、実行する。


  平成28年1月30日
取締役社長 吉村直樹