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飛天

平成7年 「七変化・激変の時を駆ける」

- 飛  天 -
(平成7年事業発展計画書より)

 「企業は新たな競争の時代を迎えた。国内、海外双方で進む構造変化のうねりが、日本企業のいままでの競争条件を大きく変えようとしている。
 国内の新価格革命、米国製造業の復活、低コスト生産基地としてのアジアの台頭、情報通信産業の急激な変化、成長、拡大。......この新たな『競争の時代』に、企業が競争力を保ち続け、生き残り、次の成長をつかむためには何が必要なのか。......。日本企業も外国企業も『強い会社』の姿はよく似ている。キーワードは三つのポイントだ。
 1.コア・コンピタンス(核の力)
 2.カスタマー・フォーカス(顧客重視)
 3.スピード(速さ)
 自分の会社にとって、"核″となる"力″がどこにあるのか。何が自分の本業であり、自分がどの分野で戦うべきかを知り、そこへ経営資源を集中する。......いくら企業の規模が大きくても、コア・コンピタンスを見極めないまま事業をやみくもに拡大したところで、勝算はない。中小企業だから、大企業に負けるのではない。自らが勝負できる分野を見定めぬまま、事業を展開するから、大企業に押しつぶされる。......
 市場で戦うには顧客重視が欠かせない。常に揺れ動く激しい変化の時代に信じられる唯―の確実な指標こそ顧客なのである。顧客の本当のニーズ、期待、不満を読み取り、新たな製品、サービスを市場に送り出す。
 顧客とともに歩むことで、変化の時代を乗り切っていくと決断したとき、不可欠なのがスピードである。......市場の変化に合わせて速く動くこと、絶えず変化する世界では、じっとしていることは危険である。間違った決断をしても、素早く修正すれば、ダメージを最小限に抑えることができる。
 ......これだけ変化が激しい世界では、今日、正しかったことが、明日も正しいとは限らない。そうした不確実な世界での競争に生き残り、成長市場に地歩を固めるためには、企業も変わり続けるしかない。」(日経ビジネス編「強い会社」)
「大組織に小さな企業の精神を植え付けることが私の仕事だ」とGEのジャック・ウェルチ会長は言う。米国企業はベンチャー企業に多くを学び、息を吹き返した。
 価格破壊、規制緩和、中国に代表される新たな巨大成長センターの出現。激変の時代を象徴するキーワード、従来の枠組みを否定し、新しい事業創造に挑む気概が今こそ求められている。
「起業家精神とは何か。私の定義は夢を実現しようとする1青熱だ」とスターバックス・コーヒー(全米で450店舗の高級コーヒー専門店を展開。売上300億円過去3年間で5倍)のハワード・シュルツ会長は言う。「現在の環境に満足していないのなら、自分で熱中できる仕組みをつくればいい。多くの人はあまりにも早くあきらめすぎる。自分の人生なんだからもっと執着心を。」
 現状のままで良いのか、と問い返し、少しでも自らの理想に近づける努力をすることが起業家精神の出発点だ。
「大企業が寡占している市場は逆にチャンスがある」とブルームバーグ(金融機関に市況情報などをオンラインで提供。創立13年で売上高600億円)のマイケル・ブルームバーグ会長は言う。スキがなさそうに見えるがどの企業も似たり寄ったりなので、彼らと違った方法で切り込む余地がいくらもあるからだ。市場が成熟しているから、というのは理由にならない。そう思い込んでいるのは企業の独断かもしれない。顧客はいつも新しい刺激を求めている。
「他社の動向?それより、君自身がこれはすごいと思うことを提案してくれ。」
 もちろん挑戦が失敗に終わることもある。そんな時にこそ、起業家精神の真価が問われる。
「うまく行けばみんなで祝福し、不幸にも、そのまま失敗に終つたらみんなで原因を考え、教訓を引き出す。失敗によっても我々は成長する、という事実を忘れてはいけない。」とマンコー(売上高100億円の家庭雑貨メーカー。過去3年間の平均伸率17%)のジャック・カール会長は言う。
 思い出してみて欲しい。自分の知識や経験を基に、部下の提案を一笑に付したことはなかったか?その提案はよほどまずかったのかもしれない。だが、笑われた部下や、それを見ていた彼の同僚は、次に素晴しいアイデアを考えついた時、一体どうするだろう。
 アンカー・ブルーイング(米国地ビールメーカーの中堅、地ビールブームの先頭を走り過去5年間の平均伸率20%)のフリッツ・メイタグ社長もこう言う。「人間は1万年以上も前から事業を興してきた。新しいことを始めたいという欲求は、だれもが持つ自然な感情だ。常識があればいい。」

 事業の繁栄発展の究極は、たった二つのコンセプトから成り立っている。
 一つは成長拡大させること。もう一つは、安定させることである。この二つの哲理を同時に戦略課題とし、実行して、はじめて繁栄発展が起こる。二つのうち、どちらかの一つが欠けても事業の繁栄発展はあり得ない。

 事業の『成長拡大』とは、前年よりもお客様の数を増やすことだ。前年よりも売価の高いもの、粗利益の高い新製品を開発し、お客様に新鮮な驚ろきを与え、数多く買って頂くことである。これ以外の成長拡大はあり得ない。
 私達はお客様を増やすために、新規訪間をくり返し、商品説明会を行い、同行訪間をお願いし、紹介を頼り、同業他社の製品を、サービスを調べ、我社の製品の、サービスの向上に努め、お客様が感動する新製品を開発し、生産効率を上げ、他社と全ゆる方向で優位の差別化を目指さなければ拡大できない。
 事業の『安定』とは、自分の会社で売っているものが何であっても、商品であっても、サービスであっても、形があっても無くても、その売りものを、同じお客様が、くり返し、くり返し、くり返し買っていただくことである。これ以外の安定はない。
 だからこそ、私達は、徹底的にお客様第一主義を貫き、お客様のもとへおとずれ、人間性を可愛がって頂き、品質を高め、納期を早め、企画力を磨き上げなければならない。同じお客様が、くり返し、くり返し、くり返し発注される全ゆる要素を、他社よりはるかに秀れたものにすることこそが、私達に課せられた安定の大テーマである。

 私達は、全くの偶然に、運命の悪戯から、同時代に生まれ、マリンフードに働いている。食品産業に従事している。
 環境の激変に耐え、激しい競争に生き残り、目標にチャンンジし、売上や利益が順調であり続ける事ほど企業やその社員にとって幸福なことはない。
 そんな会社を、未来につながるナイスカンパニー、エクセレントカンパニーを創り上げることが出来れば、その原動力となることが出来れば、偶然に入った会社、偶然に出会った運命の中で、一回きりの私達の人生が、どんなに輝いたものになるだろう。

「人間は誰でも、本来、何事をも、自分が深く思い、考えたとおりに成すことができる。自分が、もし出来ないと思えば何事も出来ないし、出来ると信念すれば、何事をもなすことが出来る。つまり、すべてが自分が自分自身に課した信念のとおりになる」(中村天風「成功の実現」)

今年の1月17日早朝に兵庫南部地震(阪神大震災)が発生し、未曽有の惨事が阪神地区を襲った。地区のお客様や同業者が壊滅的な打撃をうけ、交通は遮断し、何よりも貴重な数多くの人命が失なわれた。当社の社員も、家屋の全壊、半壊、一部損傷は数多く、工場も軽微とはいえ損害を免れることが出来なかった。環境は激変し昨日とは違う今日が出現した。しかし一方、復興への動きもスタートした。当社の工場は震災3日目には全ラインが稼動し、物流体制の維持も全力で行なわれている。原料の確保、商品の供給、同業者への支援も始まっている。
私は今ふたたび、精魂こめて、お客様に対する考え方、あらゆるサービスの姿勢、心、信念する経営思想を書く。全社員とその家族が、気力を漲らせ、豊かで、明るい生活を営むために遂行しなければならない必達の売上、必達の利益が明示してあり、それを実現するすべての戦略、方針、構想、実行手段が網羅されている。私は、大いなる願望(マリンドリーム)達成に向い、ひたすら精進し、方向を決定し、理念を固め、誠意をもって、情熱あふれる経営を推進することを、天から課せられた使命だと考え、実行する。

平成7年1月28日
取締役社長 吉村直樹