1. マリンフードトップ >
  2. 知る・見る・楽しむ >
  3. 社長の部屋 >
  4. 会頭の履歴書

会頭の履歴書

会頭の履歴書⑦(とよなかチャンバー2026年7月号より転載)

豊中商工会議所会頭 
吉村 直樹
(マリンフード株式会社代表取締役社長)


▲マリンフード創業者 吉村栄吉像喜寿の祝いに特約店会より寄贈。(山中靖三氏作、昭和52年5月)

【父Ⅶ】
 先日、この会報を読んでいる知人から、古書店サイトから「空想屋右三郎」を見つけ、1万8千円で買ったと言われて驚き、アクセスしたが、売却済だった。
 最後に父のマリンフードでの最大の功績を考える。
 昭和32年独立、創立してやがて中小マーガリンメーカーの一角に食い込んだ。後年特約店会を組織し、老齢の文学社長として焙煎業界に支持基盤を確立した。ボクの入社当時、毎日焙煎業者と同行販売で喫茶、レストランへマーガリンや冷凍ホットケーキを売込んだ。
 創立4年後の昭和36年、栄吉は突如NZチーズを導入、プロセスチーズ製造を決めた。今、本社にNZ寄贈のキウイ鳥の剝製がある。
 だがチーズへの挑戦は成功しなかった。父の晩年、いつも撤退が議論された。
 皮肉な事に、チーズの曙は栄吉死の直後から始まる。粗末な設備で、ピザ用シュレッドチーズが爆発した。
 主販路の外食業界から、ピザ用チーズを先頭にして、ガーリックマーガリン等。
 家庭用に0から進出した。
 チーズ製品も家庭用ルートも、今現在全売上の65%を占める。チーズを導入した父に感謝の言葉しか無い。
 工文院釈艸栄遊三居士(自作)。工業と文学に生きた。艸は雅号、遊三は筆名。  (この項終わり、続く)

(2026年10月1日付 / 毎月1日発行)